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本日の一本

我々は宇宙人〜子供の頃の記憶を、未来のANIMEへ。

*TAO LABより
『我々は宇宙人』を観た。

『我々は宇宙人』 門脇康平監督

タイトルから想像していた世界とは、まるで違った。
そこに描かれていたのは、平成の田舎町で育つ二人の少年と、彼らを取り巻く小さな世界。

そして、子どもたちの無邪気と残酷。
悪意があるわけでもない。けれど、無邪気だからこそ残酷になれる。小学生という小さな社会にも、憧れ、嫉妬、優越感、孤独、そして排除がある。

時代が変わっても、人間の内側は、それほど変わらないのかもしれない。

それにしても、なんとも不思議な絵のタッチ。
どこか昔の漫画雑誌『ガロ』の世界を思わせる、濃密で、少し不穏で、懐かしい線。

昭和チックな風景と空気感。

ところが、これをソウゾウしたのは、まだ若い映像作家、門脇康平監督。
しかも、その映像づくりは実に先鋭的。

実写で撮影した人物の動きを作画に取り入れるロトスコープ。子ども特有の不規則な仕草や走り方まで拾い上げ、さらに手描きの表現を重ねている。

背景と人物の質感を近づけ、色彩や光まで細かく設計。
アニメなのに、実写以上に記憶の中の風景が生々しく立ち上がる。

レトロな絵。新しい技術。
昭和のような空気。平成の物語。
そして、令和のANIME。

この「/」あいだが、なんともオモシロイ。

監督は、自らの幼少期の記憶を残したいという想いから、この作品を構想したという。

なるほど。

これは単なるノスタルジーではなく、記憶の中に残された感情や空気を、アニメという表現で再び立ち上げる試みなのだろう。

物語の展開や描写には、観る人によって好き嫌いもあると思う。けれど、そこをジャッジするよりも、僕はこの若い作り手が、自らの世界をここまで徹底して映像化したことに眼を向けたい。

既存のアニメの文法に収まらず、自分の描きたいものを、自分の線と技術で描く。
しかも長編映画として。
その挑戦そのものに、エールを送りたい。

日本のANIMEは、世界的な産業へと成長した。
けれど、その未来をひらくのは、大きな作品や既存の成功モデルだけではないはず。

まだ見たことのない絵。
まだ聞いたことのない声。
まだ名前のない表現。

そんなソウゾウが、あちこちから生まれてくること。

『我々は宇宙人』。
レトロチックでありながら、確かに新しい日本のANIME。
過去の記憶から、未来の表現が生まれる。

門脇康平監督、そしてこの作品を世に送り出したチームの、次なるソウゾウも楽しみにしています。:)

PS
我々は地球人から宇宙人へ。
囚われの民から自由人に... Think Cosmically Act Joyfully〜:)

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