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本日の一冊 2026459318855392
32年前の天海和尚との交歓から始まった『ジオメモリー』...
*TAO LABより
32年前、34歳の時、8月。
徳川の黒衣宰相とも呼ばれた天海和尚との時空を超えた遭遇。彼が江戸という都市に、江戸という時代そのものに「結界」を仕込み、日本列島の骨格と呼応させていたという事実をその時知った。
それらは不可思議な超能力ではなく、国土を一つの身体として扱う設計行為に見えた。山脈は背骨、川は血流、寺社はツボ...都市は、母国は偶然ではなく、意図をもって"調律"されていた。
このとき、私の中でひとつの感覚が芽吹いた。
国土は地理ではなく、記憶を持つ身体=ミカラダなのではないかという感覚だ。
これが、私にとってのジオメモリーの旅の始まりだった。
■ レイラインとは何か
ここで、レイラインという言葉を、まず「今此処」に降ろしたい。
レイラインの「レイ(Ley)」は、古代イギリスの考古学調査に由来し、古英語で「牧草地、開けた土地、またはそれらを結ぶ通り道」を意味する言葉です。1921年にアルフレッド・ワトキンズが、遺跡や聖地が直線的に並ぶ様を「Ley line(古い直線的な通路)」と名付けたのが始まりです。
当初は考古学的な「古代の道」という意味でしたが、現代では「エネルギーの道」や、太陽の通り道(Ray)とも解釈され、神秘的なパワースポットの並びとして扱われることが多い。
で、読んでみた書籍の一部ですが感銘を受けたもの。
...内田一成
レイラインハンター 日本の地霊を探訪する
レイラインハンター日記 2010 - 2008
レイラインハンター日記 2013 - 2011
内田一成さんの著作群が一貫して語っているのは、「レイライン=神秘現象」ではない、という点だ。
彼にとってレイラインとは、
「日本列島というジオ(地形・地質・地霊)と、人の営みが、長い時間をかけて共鳴し続けた"痕跡の線"」である、と。
山の稜線
断層
古代の交通路
太陽の運行
海流と風
水源
それら自然条件の上に、人は祈り、暮らし、寺社を結んだ。結果として「LINE=直線」が浮かび上がる。
ここで重要なのは、偶然か、意図かという二項対立を超えている点。
内田さんは言う。
「偶然に見えるが、偶然では済まない"必然の重なり"がある」と。
■ ミカラダとしての国土
ジオ=身体という視点。
生活観光ガイドブックのひとつの中核にある言葉〜ミカラダ(身・身体)としての国土。
この視点で見ると、レイラインは一気に生々しくなる。
・山脈=骨格
・川=血管
・海流=リンパ
・噴火帯・断層=神経系
・寺社仏閣=ツボ、あるいは結節点
神社や寺が直線に並ぶのは、「霊的パワーを集めるため」以前に、身体の要所に、自然と人が手を合わせた結果だ。
それを「結界」とも呼ぶことができる。
■ 結界とは、遮断ではなく「調律」
ここで、結界という言葉を更新したい。
結界とは、閉じることでも、排除することでもない。
結界とは、内と外のリズムを合わせるための膜だ。
神社仏閣が配置されたのは、何かを封じるためだけではなく、人が"国土のリズム"と共振するためだった。
天海和尚の江戸結界も、
四国八十八ヶ所の配置も、
本質は同じ。
歩くことで、身体が国土に同調していく装置。


さて、そんなこと感じながら、この1月から2月にかけてハマっていた物語。
いまの常識の枠では、そのままでは受け止めきれない...だから、物語という衣をまとって語られている。
読み進めるうちに、奇妙な感覚が胸に宿る。これは創作を読んでいるのではない。
封印された記憶に触れているのではないか、と。
榊正志さん、伊勢谷武さんの作品群は、フィクションの皮膜をまといながら、現実の深層に静かに刃を入れる。
否定ができない。どこかで知っている気がする。
小説という名の入口。
その先にあるのは――読者は気づく。
これは物語ではなく、まだ共有されていない"記憶"なのではないか、と。
■榊正志
レイライン 千三百年間の謎 失われた秘剣
レイライン2 もう一つの剣 追いつめられた信長 失われた秘剣
レイライン3 アマテラス・サーガ 失われた卑弥呼の金印を探せ!失われた秘剣
なぜ、神社は直線に並ぶのか?: 『レイライン』ガイドブック 失われた秘剣
これらの物語...今回の「四国メグリテマワル旅」のパズルのパーツです。
ミカラダ、この身体で歩きながら、時空を超え、そのパズルを組み立てたいと思います。


