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TRIP*CLIP HOLY LIGHT

京都 黒谷金戒光明寺 × 会津藩 × 新選組 紅葉ライトアップ

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*TAO LABより
先日京都に行き、こちらを訪ねました。

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■黒谷・金戒光明寺
京都・東山の端、紅葉が風にほどける黒谷の高台。
ここは単なる寺ではなく、幕末の"精神的な起点"のひとつだった。

文久2年、会津藩はこの寺を京都守護職の本陣に据え、治安と政局の嵐の中心で陣を構えた。
その場を照らしていたのは「仏」と「武」の同居する空気。
光と影の際で立つ者たちが、迷いを燈明でそっと照らすような場所だった。

■会津藩
会津の精神骨格は、言わずと知れた「什の掟」
これは倫理の教科書ではなく、呼吸のように染み込ませる"日用の道"だった。

年長者を敬う
虚言をしない
卑怯をしない
弱い者いじめをしない
礼節を尽くす
困ったら相談する
そして最後に「ならぬことはならぬものです」

会津藩士は、この掟を"戦場"ではなく"日常"で鍛えた。
だからこそ幕末の激流に投げ込まれても、内側の芯が折れない人間像を保つことができた。

■新選組
金戒光明寺の会津本陣の庇護のもとで、新選組は京都で活動を開始。
「誠」の旗印が象徴するのは、忠義という硬い言葉だけでなく、"己の内側を誤魔化さない"という生存哲学でもあった。
彼らは武士の資格を問われる下級の出だったが、会津が掲げる"武士とは心の在り方"という価値観によって生きる場所を得た人々だったと言える。

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あらためて訪ね、この三つから受け取る"いまのヒント"覚え書き
現代に生きる僕らに刺さるのは、歴史ロマンではなく 「姿勢のアルゴリズム」 だと思う。

会津は"外の嵐より、内の秩序"を重んじた
混乱の時代ほど、自分の器の中の風を澄ませる必要がある。

新選組は"出自より、腹の居方"で立った
資格より覚悟。学歴より実行。地位より胸の置き場所。

金戒光明寺は"静かな場所に判断の源泉"を置いた
ひとは迷う。だからこそ、心を戻せる"精神の基地"が必要なのだと思う。

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いま僕らに必要なのは"什の掟2.0"
会津の掟をそのまま現代に持ち込む必要はないけれど、大切なのは 「背骨としての倫理」 を再構築すること。SNSの海で、情報の渦で、世相のノイズで、つい足元を見失いがちな僕らの日常こそ、会津の知恵が役に立つ。

ならぬことはならぬものです。

それは叱責ではなく、"心の姿勢を整える呪文"。

紅葉の光明寺で感じた静かな紅葉の光は、幕末の会津や新選組が置かれていた状況を理解するための"精神と思考の灯り"となり、いまの僕らの背中にも確かな示唆を与えてくれる。

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