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ハマってます!美達大和さん!!最新刊『獄中の思索者-殺人犯が罪に向き合うとき』

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獄中の思索者-殺人犯が罪に向き合うとき
「2人の計画的殺害」という冷酷な罪を犯した年収数十億の男。社会的成功者から殺人犯となった男は死刑を望みながらも無期懲役となった後、自ら刑務所を出ないことを決意した。
30年の獄中生活は男をどう変えたのか。"生きる意味"を問い続けて思索を重ねる無期囚が「罪と罰」「運命」「信仰」「父と子」「労働」「金銭」「自由」」について獄中で深めた自らの思索を綴る。


*TAO LABより
ここ10年ほどはブックジャンキーから愛好者ぐらいとなりましたが、それまでは、ホント、本気狂いでした。それは映画や音楽に、さらに旅(国内外+引っ越しも30回近く)にも通じるこの人生の主要な時間とお金を使うアイテムです。
ある意味、昭和元禄色街熱海生まれの江戸っ子:)なので、宵越しの金、持たない(持てない!?)そんな生活を「毎日が生活観光」とも名付け、お陰様で60歳を超え、ますます元気に「一つ点の多い夢」抱きながら生きています。

さて、ハマると、徹底的に調べ、手に取り、掘り、行動し、身体精神使っておもいっきり浸ります。キャラ的にはストイックな探求者というよりは道楽者ですが〜:)
で、最近、ハマったひとつ=ひとりが今回ご紹介する美達大和さん、です。ハマると著者の場合、ほとんどの著作を手に入れ、まずは斜め読み、さらにその中からじっくりと読むものチョイスします。

*美達大和
1959年生まれ。殺人犯、無期懲役囚、文筆家。
本名など非公表。2件の殺人事件で無期懲役となり(なお本人は死刑を希望していた)、仮釈放を放棄、事実上の重無期刑に服している。著書多数。
在日韓国人1世の貸金業者の父と日本人の母の間に生まれる。父親は1924年に韓国の貧しい農家に生まれ、金を稼ぐために18歳の時に日本の鉱山で働き始め、戦後の混乱期に歓楽街の用心棒、債権回収業から金貸しとなり、裏社会ともつながりもつなど、腕力と負けん気で財を成した人物で、息子の前で債務者の耳を引きちぎるなど血と暴力の人だった。
息子に対しても、喧嘩の仕方をはじめ「一番じゃなければすべてクズだ」「男らしくあれ」「俺の子供なら喧嘩が一番で当然だ」「自分の信念に忠実に」「嘘をつくな」などといった厳しい規範を暴力とともに教え込んだ。
美達はこの父親の期待に応え、運転手付きのキャデラックで通っていた小学校時代は「神童」「IQ150の天才児」と呼ばれるほどで生徒会長なども務める優等生だったが、限界を感じた小学生最後の時期に自殺未遂を起こす。優等生である一方、喧嘩も300戦以上経験し、中学では年上の不良たちからも一目置かれる存在となった。
10代より「自分にしかなり得ないなにものかになる為に生まれてきた」というロマン・ロランの言葉を胸に生き、高校を中退して飲食チェーンに勤めたのをはじめ、金融・不動産・外車販売などを手掛け、学習教材の営業で年収8000万円を稼いだこともあった。
21歳から貸金業を営み、二度の結婚を経験し、やくざの幹部にもなり、筋を通さなかったという理由で二度の殺人事件を起こし、服役した。
幼少期から本が好きで、刑務所の中の運動会をテーマにした小説を自ら書き出版社に打診したが断られたため、自身の特異な境遇を書いたほうがマーケティング的に勝算があると思い、2009年に自らの半生と人を殺すまでの過程、その後についてを記した『人を殺すとはどういうことか』を刊行。
その後数冊のノンフィクションを上梓後、2012年に父親をモデルに書き下ろした小説『夢の国』で小説家デビューを果たす。
ペンネームの「美達」は触れるものが全て金に変わるというミダス王から取り、「大和」は日本人を意味する。
〜Wikipediaより

同じ学年と思われる30年間堀の中にいる美達さん、体験談+省察録と共に今では読書録や小説、自己啓発本、さらに驚くべき事に自由に情報を得ることが出来ない環境で現代の政治経済を分析する著作も書いています。

彼の存在を知り、まずデビュー作から読むのが自分の流儀〜上記「人を殺すとはどういうことか」とともに「私はなぜ刑務所を出ないのか」等々により、おおよその彼の外で活動していた頃、塀の中での日々について=人生+生活を知りました。

一言でいって『超天才』であり、『超努力家』『超一本気』、この『超』はスパーウルトラとも言うべき境地です。本人の内省と意志の結果とはいえ、獄中にて肉体を離れてしまうのはとてももったいないなぁ〜と思える存在です。殺人者とはいえ、ここまで内省し反省し、熟考。この環境で厳しく健やかに精神の自由を生きている方は地球人類の中でもそんなに居ないのではないかと思います。

先日、心待ちにしていた彼の発売されたばかりの最新著作「獄中の思索者-殺人犯が罪に向き合うとき」早速、拝読いたしました。
獄中でとことん沈んだ自らの思索...深いです。

囚われたコトのない方には理解出来ないと思いますが、一切の外に向けた自由が奪われた時、ほとんどの方は不自由だと思うでしょうが、その圧倒的物理的に不自由な時、意識を自らの奥に向け、深く潜るとバラドックスではありますが大いなる精神の自由という状態に触れれる瞬間があります。

残念ながらほとんどの方が人生を、さらに本来なら改心するための絶好の機会=獄中での人生も無為に過ごしています。

中にはタオラボブックス刊「獄中閑」川口和秀さんとも共通する獄中の中で果敢にも己自身に深く沈み始める方がいます。美達さん、その一人、また川口さん以上に深く深く〜超強者です。
川口さんは23年近く、美達さんは30年も〜自由とは?不自由とは?幸せとは?不幸とは?己とは?生きるとは?なんのために?...なんで?なんで?⇔そうか!そうか!の行き来、深い深い内省TRIP。

あえて自分の感想は細かく書きません...お勉強だけで満足し、何も行動しない人間。自ら疑問を持たず、人から答えをもらうだけの人間。そつなく、けど、失敗も無く、「お利口」「小利口」に生きてる人間〜そんな人間より100%肯定美化するわけでは無いですが、川口さんや美達さんはじめ、アウトロー(外側)だけどホーリー(内側)が核にあるヒト、凸凹自分自身の求め信じる道を歩んでいる「大バカ!」ともいえるヒトに惹かれてしまいます。
...興味のある方は自らこの書籍を手に取り、自ら感じてみてください。

なんども引用してきたラーマクリシュナがよく歌っていたというこの詩をここでもあらためて。

『沈め 沈め 沈め
美しき海に わが心よ
深き底に ゆきて探せば
聖愛の宝玉 汝が手に入らん

探せ 探せ 探せ
神の故郷を 汝が胸に
ともせ ともせ ともせ
智慧の灯を 常に明るく』

美達さん、今、オススメのひとりです。
美達大和:全著作

美達さんと造りたい書籍の企画、生じてしまっています。
今までの彼の著作とは違う、一冊。
なんとか美達さんと連絡取れないか?動き、扉、叩き始めました。
ありがたいことに表に出ない情報に長けた方が居たりします〜:)
ご縁、結ばれますように。
彼が抱いている具体的な夢にも大変共感いたします。外に居ればもちろん、塀の中に居たとしてもスーパーウルトラな方なのでなんらかのカタチでそれを実現する起爆剤となり得るのではないかと思われます。
どんな面構えしている方か...興味深い方の一人です。

PS
最近の川口和秀さん。
川口和秀.JPG
男の顔は履歴書...希有な激動の人生が現れているかと。

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