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本日の一冊

日本民族の危機

*TAO LABより
なかなか感じてしまう著作と出会いました。
三島由紀夫の檄文とともに当時は偏っていると思えたものが50年経ち、ますます人類の精神性が劣化している今、一筋の光の如く、真摯に伝えたかったこと、受け止めること、出来ます。
この激動の時代、ぜひ、読んでみてください!!!

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日本民族の危機
著者 : 岡潔

昭和四十四年(1969年)に初版が出版された本書は教育哲学についての所感を纏めたもので、本書は復刻版。

*目次
まえがき
真我への目覚め
歴史にみる日本の心
情操教育
日本民族の危機
葦牙よ萌えあがれ
教育の原理(文部大臣への手紙)

*著者
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岡潔〈おか・きよし〉
1901年〈明治34年〉4月19日 - 1978年〈昭和53年〉3月1日)
理学博士。多変数解析函数の世界的権威。大阪市に生まれる。京都大学理学部数学科卒。奈良女子大学名誉教授。51年、日本学士院賞受賞。60年、文化勲章受賞。68年、奈良市名誉市民に推さる。

*TAO LABより
天才・岡潔先生...作家の藤本義一は、岡をモデルとした戯曲『雨のひまわり』を製作するために密着取材をしたことがあり、著書『人生の自由時間』『人生に消しゴムはいらない』で彼の日常生活について記している。岡は起床してすぐに精神分析を行い、高揚している時は「プラスの日」、減退している時は「マイナスの日」と呼んだという。
プラスの日は知識欲が次々湧いて出て、見聞きするあらゆる出来事や物象を徹底的に考察するのだが(例えば、柿本人麻呂の和歌を見ると、内容はもとより人麻呂の生きた時代背景、人麻呂の人物像にまで自論を展開する)、マイナスの日は、寝床から起き上がりもせず一日中眠っており、無理に起こそうとすると「非国民」などと怒鳴る有様であった。
この岡の行動を見た藤本は「恐らく岡は躁鬱病であると考えられるが、プラスの日・マイナスの日は一日おき、もしくは数日おき...といった具合で、躁と鬱の交代期間は比較的短かった」と述べている。

晩年の主張は超高次元の理想である真善美妙を大切にせよというもので、真には知、善には意、美には情が対応し、それらを妙が統括し智が対応すると述べた。一方で日本民族は人類の中でもとりわけ情の民族であるため、根本は情であるべきとも語った。
また日本民族は知が不得手であるため、西洋的なインスピレーションより東洋的な情操・情緒を大切にすることで分別智と無差別智の働きにより知を身につけるべきと提唱している。
さらに現代日本は自他弁別本能・理性主義・合理主義・物質主義・共産主義などにより「汚染されている」と警鐘を鳴らし、これらを無明と位置づけ、心の彩りを神代調に戻し生命の喜びを感じることで無限に捨てるべきと述べた。 〜Wikipediaより一部転載

...なるほど〜天才ゆえの狂気との狭間、また、その天才を支えている体質は霊媒体質で良いも悪いも受け、ご苦労多かったと思われますが、精神性は流石に研ぎ澄まされており、たいへん興味深い方です。

こちらの著作もオススメです。
編集は『天上の歌 岡潔の生涯』を著した伊東市在住の帯金充利さんです。

世界的な天才数学者、岡潔。自然と共に生きてきた日本人の中にある「情緒」の重要性を訴え、日本の未来に警鐘を鳴らす作品を数多く発表した。本書は、数ある著書の中から岡潔の一貫した主張が込められた言葉を集めた箴言集。日本人の情緒とは。日本民族、教育...岡潔が遺した珠玉の言葉の数々。
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情緒と日本人

*追伸
岡先生に関係するこんな連載はじめました。
「民族の危機」岡潔 解説:横山賢二

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