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「自他一如」〜医の現場から見えること〜 by 岡田恒良

第十七回 『ジグソーパズルとワンピース』

 「右手と左手が喧嘩していたら、柏手が打てるんか?あんたの手や足や、目や鼻が互いに協力しなかったら、生きてはおれんだろう。」

 それなのになぜ人々は互いにいがみ合い、罵り合い、ついにはいくさにまでなるのか。
先回に登場した御老人(以下おっさん)の言いたいことは実にそのことでした。無理やり大東亜戦争に行かされ、激戦地で瀕死の重傷を負わされた通称おっさんは、戦争というあんな酷いことは二度と繰りかえさせてはならん。ただただその一心で生きてこられました。如何にすれば二度と戦争をしない世界にできるか、そのことだけを考えて戦後生きてこられた方です。

 ジグソーパズルを思い浮かべてください。たくさんのピースが全部集まって、美しい絵画が完成します。そのピースひとつひとつ、どれ一つとして不必要なピースはありません。どのピースにも役割があって、どの一枚が無くなっても絵画は完成しません。どれもが大事なピース、優劣もありません。青空の一部であろうが、花の一部であろうが、大きさは皆同じ、役割は違えど必要性は皆同じです。

 赤い綺麗なピースだからといって、完成する前に自慢げにそのピースを黒く縁取りしたらどうなるでしょう。さも目立つようにと縁取りをしてしまえば、そのピースは完成したのちにどう見えるでしょうか。もはや花の絵の一部にはなれませんね。

 また逆に広い青空の真ん中にある、なんの模様も無い、なんの変哲も無いピースだからといって、捨ててしまったらどうなるでしょう。その部分はぽっかり穴があいてしまい、これもまた絵画が完成しません。すべからく人の世はそういうものなのです。主義主張を戦わせて他を押しのけて一人よがりになっては絵にはならないし、また逆に自ら卑下して社会から逃げ出してもいけないのです。

 熊本県出身、尾田栄一郎の超有名コミック「ワンピース」は、1997年弱冠22才の時に連載を開始、今では発行部数4億4千万を超え、アニメ版も長ロングラン。殺人場面や「殺す」などのセリフは一切ないことで有名で、35カ国に放映され押しも押されぬ日本が生んだ世界一のアニメになっています。
タイトルのワンピースとは、どうやら「ひとつなぎの大秘法」という意味らしいのですが、ピースが繋がってひとつになるということを表しているようです。「人つなぎ」という意味という説もあり、楽しみなところです。以下のセリフにはちょっとゾクゾクするものがありますね。

「あの宝を誰かが見つけた時‥‥世界はヒックリ返るのさ!!誰かが見つけ出す、その日は必ず来る‥」
ワンピース59巻第576話より
ワンピース.jpg

 ...続く


*TAO LAB より
いよいよ「おっさん」登場ですね。
岡田先生との出会いは「日本語脳」+「尾張(終わり=名古屋)」、そしてこの「おっさん」が繋げてくれました。
その「おっさん」に繋げてくれたのは九州福岡時代、梶川泰司さんのもと、フラードームの探求で出会った川原さん月村さんです。
さらに今回、漫画「ワンピース」が...この漫画、ちゃんと読んだことなく...ちょうど若い友人たちにも勧められていたのであらためて読もうかと〜漫画、最近よく読みますね、なんだか〜:)
ヒトやコトモノさらにトキやバとのご縁もひとつひとつのピースともいえますね。どんなパズルが完成するのか〜ご一緒に楽しみましょう!


*著者 プロフィール
なごやかクリニック院長
名古屋醫新の会代表 
岡田 恒良(おかだつねよし)
https://www.facebook.com/tsuneyoshi.okada1
1955年岐阜県生まれ
1980年岩手医科大学卒
約20年消化器系一般外科医として通常に病院勤務。市民病院で外科部長として勤務中、ある先輩外科医との運命的出会いがあり、過剰医療や過剰投薬の現状に気づき、自然医学に目覚める。
1999年千島喜久男博士の勉強会を名古屋で主催、マクロビオティックの久司道夫氏の講演会企画をきっかけに病院を辞職。
御茶ノ水クリニックの森下敬一博士の機関誌《国際自然医学》に「自然医学の病態生理学」を長期連載。中山武氏の主催するがんの患者会「いずみの会」の顧問をしながら安保徹教授の講演会を開催し、親交を深めた。
看護学校にて補完代替医療について講義中。
2006年コロンビアのドクトル井上アトム氏に出会い、運動療法・自然療法の重要性を認識。以来南米に3度訪れる。 「自他一如」の探求は2000年から続く。

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