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LAB LETTER

日本語脳KAWAII研究〜:)その1 岡潔云うところの「情」から産まれた感情表現?

*TAO LABより
世界語になった「KAWAII=カワイイ」〜このなんとも愛らしい言葉の起源はいつなのだろうか?
実は「美しい」「小さい」から始まった言葉ではありません。
その核にあるのは、感情の揺れです。

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『うつくし』...平安時中期「枕草子」
=いとおしい・大切にしたい・心が近づく

「かわいい」に近い感覚は「うつくし」 という言葉で表現されていました。
清少納言の「うつくし」は、
小さい子ども
無邪気な振る舞い
けなげな存在
に向けられた、保護したい・愛おしいというまなざし。

現代語の「美しい」とは別物で、むしろ感情の方向は、いまの「カワイイ」にかなり近い。

『かはゆし』...平安末期〜鎌倉期「今昔物語集」
=気の毒・いたたまれない・放っておけない

「かわいい」の祖語として 「かはゆし」 が使われています。ただし意味は、いまのカワイイとは違う。
気の毒だ
見ていられない
恥ずかしい
胸がきゅっとする

つまり「かはゆし」とは、弱さ・未熟さ・不完全さに心が揺さぶられる状態。
見下す感情ではなく、距離が縮まってしまう感情。

ここが重要な起点です。
この二つが重なり、時代を下る中で、弱さ・未完成・小ささに心が引き寄せられる感情として結晶化したものが、「かわいい」。

イエズス会『日葡辞書』...16003年
イエズス会が編んだ日本語辞書には、「cauaij(かわいい)」 がすでに登場しています。
=愛らしい・いとおしい・小さくて心を引く・気の毒だが放っておけない

現代の「かわいい」にかなり近い感覚。
つまり、江戸以前にすでに"感情語としてのKAWAII"は完成していた。

「愛玩」のことばへ...江戸時代
江戸期になると「かわいい」は、
子ども
小動物
若い女性
弱い立場の存在
に向けた私的で情緒的な愛情表現として定着。

美の評価ではない欲望よりも「情」が先に立つ、「支配しない愛情」の言葉として日常化。


...なるほど〜翻訳できない「かわいい」という言葉。
それは、岡潔 が語った「情」から立ち上がった、日本語脳OSが生んだ感情言語の一つ=和語なのだと思います。

こうした言波が、他の言語に置き換えようとしてもぴたりと収まる訳語を持たないこと。それ自体が、この言葉が思考ではなく感受性から生まれている何よりの証明ではないでしょうか。

意味を説明することはできても、同じ響き、同じ揺れは再現できない。
「かわいい」は、理解される言葉ではなく、共鳴される言葉なのです。
まさしく〜「言波」ですね!

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次回は明治以降から現代までの「かわいい」を整理してみますね。

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