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本日の一冊

没後26年、大野薫『BADFISH Kaoru Ohno』スタイルとは、生き方のこと。

*TAO LABより
サーファーという人種は、センスがよくて、イカれていて(笑)、そして本当にイカした人が多い世界だと思う。

私は体育会系的な人間関係がどうにも苦手で、それ以上に、ほかに興味のあること・やりたいことが山ほどあった。結果として、サーフィンという世界に深くハマることはなかったけれど、なぜか周りにはサーファーの知人や友人が多く残った。

私にとっては、生きることそのものがサーフィンであり、同時にART活動だと思っている。
そんな私にとってサーフカルチャーは純度の高いARTとして、とても魅力的に映る。

正直に言えば、「ART」という名のもとに評価されているものの中には、首をかしげたくなる作品も少なくない。
けれど、サーフボードのフォルム、色彩、そこに宿る波動──あれほど美しく、機能と美意識が一致した造形は、紛れもなく一級のARTだと思う。

もし大きな壁のある家に住むなら、私はサーフボードをART作品として飾りたい。
たぶんサーファーには笑われるだろうけれど──それも含めて、最高だ(笑)。

さて、大野薫さん、ご存じですか?

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1970年代から90年代にかけて、日本のサーフィン黎明期を駆け抜けた伝説的プロサーファー。
単なる競技者ではなく、生き方そのものがカルチャーであり、時代を象徴するカルチャーアイコンだった人物だ。

サーフィンを「スポーツ」に閉じ込めず、ライフスタイルとして、そして美意識として体現した人。
だからこそ、いま改めて語り直す意味がある。

大野薫
東京・目白、湘南・鵠沼にサーフショップ Pineapple Betty's/鵠沼店 を設立し、日本に西海岸サーフスタイル・ライフスタイルをいち早く紹介。サーフィンを単なるスポーツではなく、生き方として捉える流れを生み出した。
プロサーファーとして海で波を追うだけでなく、一貫したファッション観や街でのカルチャーも大切にする「生き様」を体現。たとえばサーフ後にトレンチコートで街へ繰り出すような、当時としては異色のライフスタイルを貫いた。
また文筆家/編集者としても活動し、サーフィンやカルチャー、そして「スタイルとは何か」を言葉で残す努力をしていた。

どうですか?イカしてますね〜:)
この二冊はその昔、手に入れておりました。

サマーデイズ 伝説のサーファー大野薫・スタイルの記憶:原研
NEW Daze: Romance of theShredds 大野薫メモリアルブック:大野 薫 (著) 芝田 満之 (写真)

で、先月、この書籍とTシャツが届きました。
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Badfish〜直訳すれば「悪い魚」。しかし本書における「badfish」とは、流れに逆らって泳いだ魚ーつまり、常識や規範に縛られることなく、自らの信念に従って生きた⼀人の人間を象徴した言葉である。社会の眼には、ときに「厄介」で「異質」と映ったかもしれない。だが、その違和感や孤立こそが、既存の価値観に風穴を開ける原動力となったのは確かである。反骨と自由、孤独と美しさを内包しながらも時代に迎合せず、己の道を歩んだ大野薫氏への尊敬の念を込めてネーミング。

とのこと。憧れとリスペクトがタイトルにも、書籍にも、Tシャツにも...満ちています。

自分の信念とセンスを、最後まで曲げない。
その一貫した姿勢は、時代が変わってもなお、多くの人にとって色褪せない「生き様のお手本」であり続けています。
これはもう、理屈抜きで手に取るべき一冊でしょう。

余談ながら、サーフィンの世界では完全に門外漢の私ですが、それでも「この人、イカしてるな」と強く感じた人物が、大野薫さん以外に二人います。

一人は、故・西岡昌典さん。
そしてもう一人が、石井秀明さんです。

石井さんとは15年ほど前、『ZEN SURF』という書籍をつくれたら、と何度も言葉を交わしていました。
いまはフラット──ノーウェーブの状態ですが、波は、待っていれば必ず立つ。私はそう信じています:)

そして今回、大野薫さんの書籍デザインを手がけているのが、懇意にしている白谷敏夫さん。
記憶が確かなら、西岡昌典さんの書籍装幀も、白谷さんでした。

そう考えると、この三人の世界観を横断し、ひとつの「視覚」として束ねられる人物は、もはや白谷さんしかいないのではないでしょうか。
三人の装幀を担う──これ、冷静に考えても、かなり凄いことだと思います。実現したらいいですね!白谷さん。

そして、もし実現するなら──どうしても一緒に乗ってもらいたい編集者がいます。高橋淳くん。彼、センス最高です。彼が加わったら〜と思うだけで、ワクワクいたします。
淳くん、この少し危ない:)ソウゾウオアソビ、どうですか?

石井さん、どうでしょうか?この面子?
もし、あの本の波が再び立つなら、ぜひご一緒に、その波を楽しみたい。
門外漢だからこそできる、型にハマらない「カタヤブリ」なライディング〜そんな本づくり、もしかしたらお見せできるかもしれませんよ。

PS
『ZEN SURF』...サブタイトルは『ー波乗りの彼岸ー』でしたが『ー言波の彼岸ー』もよろしいかと想います。
石井さんの「言葉」はまさしく「言波」ですから〜

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