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本日の一枚
Oníriko Orinoko -- 夢の川を遡る音の民-- Miguel Hiroshi
Miguel Hiroshi y Sandra Carrasco en Canal Sur
*TAO LABより
『私は日本の鎌倉で生まれました。両親が鎌倉で働いていたからです。でも、私が1歳になったころ、私たち家族はスペインのアンダルシアのグラナダにあるLa alpujarraに引っ越しました。La alpujarraは魔法のような環境でした。自然はピュアなまま残っていて、空気や水もきれいでした。そこで私は、地中海文化を中心に、フラメンコやスペインのフォークロアを体験したり、山道を沢山歩き回りながら、自然の中で動物と触れ合う楽しい生活を送ることができました。』
Miguel Hiroshi(ミゲル・ヒロシ)
パーカッショニスト、サウンドアーティスト、そして"音世界の翻訳者"。
フラメンコの深い呼吸、アフロラテンの鼓動、東洋思想がもつ静の余白...それらが彼の手のひらで混ざり合い、ひとつの不可思議な"風合い"へと変わっていく。
Leonardo Prakash & Miguel Hiroshi_ ITIS_ Caminos de Paz
『私は、フラメンコ、キューバ、ブラジル、中近東、ジャズ、インド、アフリカ、電子音楽、クラシックなど、さまざまな音楽ジャンルの音楽言語を研究してきました。長年の研究でわかったことは、これらのスタイルはすべて同じ言語の方言のようなもので、音楽はひとつの普遍的な言語だということです。』
Magic Carpet_ Miguel Hiroshi feat. Jorge Pardo & Richard Ekre-Suzzi
そんな彼のこちらの作品を今回はご紹介いたします。
"夢のオリノコ川"という意味をもつ...けっして地図には描かれないが、誰の胸の奥にも流れている、見えない川のこと。
水面をさらう小舟のようなビート。
森の暗がりで瞬く蛍のような電子音。
古い祭祀の記憶を思わせる声の残響。
そのどれもが、現実と夢の境界線をやわらかく揺らす。まるで「自分はどこから来て、どこへ流れていくのか?」という問いを、音そのものが静かに語りかけてくるようです。。
『Oníriko Orinoko』を聴いていると、どこか遠い風景の記憶がふと立ち上がる。
それは旅で見た景色かもしれないし、まだ行ったことのない土地の匂いかもしれない。
音はときに、心の奥の"見えない地図"を照らす。ミゲルの音は、その灯りをそっと手渡してくれる。
あなたの胸の奥にも、静かに流れる川がある〜夢の川は、きっとあなたの胸にも流れているはずです。


