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本日の一冊
松下幸之助が考えた国のかたち 「無税国家」「収益分配国家」への挑戦
読売国際経済懇談会での講演/1979年11月7日
このまま推移していったならば、やがて日本は経済破綻する。
個人の経済破綻もさることながら、国家経済が破綻するということであります。
(中略)
私は私なりに考えておるのです。
しかし、そうは申しましても、私はあすで満八十八歳になります。
もう声もあまり出ませんし、足ももうひとつ達者でございません。
(中略)
しかし、こと国家の現状というものを考えてみますとき、この身はどうなってもこのままほうっておいたらいかん、なんとかしなければいかんという気分は、
年にかかわらず、まだ私にも湧いてくるのです...
――昭和57年11月、松下幸之助はこう語りました。
*TAO LABより
上記、読み始めております。
!当時の理念=松下幸之助が描いた構想!
● 無税国家
松下氏は、国家の財政を企業と同様に「経営」できるように構想しました。具体的には、予算を単年度で使い切る方式(単年度主義)ではなく、余剄(剰余)を出して積み立て、その運用利回りで国家運営を行う方式を提唱しました。
余剰金を積み立て、将来的にその運用益(利子・利回り)を国家財源とすることで、税金を減らし、最終的には「税金をほぼゼロにできる国家(無税国家)」をめざすという考えです。
ただし、これは短期間で実現できるものではなく、100年・200年単位の長期計画で積み立てを継続していく必要があるとされました。
● 収益分配国家
無税国家を達成したうえで、運用によって生まれる余剰収益を国民に還元する構想も提示されました。これは公共資産や国家の運用資金などから得られる運用利回りを、福祉・公共サービス・国民への分配に回すというアイデアです。
税金は所得税などを大幅に減らしつつも、富裕層への富裕税などで所得格差の是正機能を残す必要があるとされ、「富の格差は富裕税などで適切に調整できる」との考えも示していました。
また、行政の肥大化を抑え、無駄をなくし、効率的な行政運営を通じて剰余を生み出す仕組みを整備することも強調されました。公務員の自主的な退職促進などの改革案も提起されていました。
その構想の中では、運用益は国民への直接給付(ただしベーシックインカムとは異なる公共サービス還元型)として分配され、適度な貧富の差を残しつつも、生活余裕を高め、勤労意欲を損なわない制度を想定していました。
これらをイメージしていた時から半世紀近く経た現在、日本は税収を増やしているものの歳出をカバーできず、赤字国債を発行し続け、債務残高は非常に高く、少子高齢化による社会保障支出も拡大している。税金を減らすどころか、将来に備えて税収強化や課税強化(防衛費など支出目的)も必要とされています。
今の人類は「今だけ、自分だけ、お金だけ」の"貨幣の魔力"に囚われています。
このままでは、利子構造(複利的な負債成長)によって社会が分断し、地球が疲弊します。
その「利子構造」を超えるには、お金を"増やす"道具から、"信頼と価値の循環"の象徴へと転換する必要があります。
それを可能にする方向性は、すでにいくつかの萌芽として現れています
地域通貨・時間通貨・ボランティアエコノミー
利子を生まない共助の経済圏
循環型資本(リジェネラティブ・キャピタリズム)
環境やコミュニティに再投資する仕組み
Web3的分散型経済圏
信頼と価値を個人間で循環させる技術基盤
こうした動きは、利子を「燃料」から「副産物」へと変える試みともいえます。
すなわち「無税国家」の次にくるのは、"無利国家"=利子なき循環社会。
松下構想の延長線上に、それは確かに見えてきています。
?その実現に必要なのは?
これらの実現は結果であり、これを実現させるためにマストなのは地球人類ひとりひとりの精神性のシンカです。
経済システムを変える前に、「私たちの内側」が変わらねばなりません。
必要とされる精神性は、言葉を変えれば次の三つに集約できます。
利他心
自分の利益が他者の喜びと矛盾しないという感覚。
長期的視点
利子ではなく「未来世代への恩送り」としての蓄積。
霊性=感謝と共感の感度
貨幣価値を超えた"いのちの価値"を感じ取る力。
「無税」の夢の先に、「無利」「無私」という境地があります。
お金が利子で増える仕組みは、恐れと欠乏の時代の知恵だった。
けれど今、それが人の心をがんじがらめに縛っています。
これからの経済は「もうけ=金」ではなく「めぐり=お足」。
奪う力より、分かち合う力で回る世界。
利他、感謝、共感----それが真の通貨。
松下幸之助さんの「無税国家」の志は、今、私たちの内なる"精神経済"の再生としてあらためて息づいています。
この三つが育まれるとき、経済は「競争」から「共創」へ、富は「利子」から「循環」へ、国家は「課税」から「共有」へと進化できます。
これ、ミロクの世の姿のひとつと思います。
1414 55 369 へ〜ご一緒にソウゾウしましょう〜:)
Think Cosmically, Act Joyfully:)