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本日の装い 本日の健美
日本ではじめてゴアテックスを登山靴に仕込んだゴロー
*TAO LABより
私は玉川学園高等部に入学したとき、ワンダーフォーゲル部に入りました。
団体で勝ち負けを競う球技にはあまり興味がありませんでした。今になって思えば、それは幼稚園から小学校低学年にかけての体験――大きなトラウマの影響があったのだとわかります。
一方で、小学校時代から続けていたボーイスカウトの活動と通じるものがあり、幼い頃から私は大勢で群れてルールの中で遊ぶよりも、ケースバイケースとも云える個々の関わりや自然との対話に心惹かれていました。ワンダーフォーゲル部を選んだのも、その延長線上にあったからです。
ただし、部には不可解で不合理なことを押しつけてくる先輩もおり、反骨精神を尊ぶ私:)は、しばらくして退部することになりました。今思えば、自らのために楽しめば良かったなぁと思いますが、、、若気の至り〜失笑です。
それから半世紀余り...ゆる〜〜〜いハイキングやネパールでのトレッキングを楽しんだりしていましたが、来年、31年ぶりに四国88ヵ所歩き遍路をしたいなぁと計画し始めました。遍路道、高低差のある1500キロほどの行程を日々平均40キロほど歩き、その時は40日弱で結願しました。
当時は30代半ば、今は60代半ばです。その計画を遂行する上で体力的にも技術的にも準備する必要があります。
精神学での学びの仲間のひとりに山を愛でる治療家の女性がいらっしゃいます。最近、親しくさせてもらっているのですが、彼女のリードで山歩き、歩き遍路の準備も兼ね、あらためて行こうかと思い、相談したところ「行きましょうよ!」ということでこの秋からリ・スタートです。
で、リックと服装とともに靴等、用具を揃え始めています。
今回、チョイスした靴を紹介いたします〜ゴロー!
「おばあちゃんの原宿」と紹介されている巣鴨。お年寄りに人気のこの町に、各国の旅行者がわざわざ訪ねてくる小さなお店があります。1973年創業の「ゴロー」。
登山家やハイカーの間では名を知られた、登山靴、ウォーキングシューズのメイカーです。
日本を代表する登山家、冒険家で国民栄誉賞を受賞している植村直己さん、2013年に80歳で3度目のエベレスト登頂を果たし、世界最高齢登頂記録を持つプロスキーヤー、冒険家の三浦雄一郎さん、オートバイによる史上初の北極点・南極点到達、エベレスト登攀(6,005m)などの世界記録を持つ冒険家、風間深志さん。南極観測隊や多数の登山家たちの靴も手掛けています。
ゴローの揺るぎない信念は――「靴は履き込んでこそ、その価値が生まれる」ということ。
もちろん"心地よいフィッティング"を最優先するなら、フルオーダーという選択肢もあります。ただし、その場合は完成までに何ヶ月も待つ必要があります。
一方、既製品でもその場で足を丁寧に計測し、足長や足囲はもちろん、爪の形や骨の突起まで考慮したうえで問題がなければ、十分に"心地よいフィッティング"を得られるのです。
私の場合はありがたいことに、既製品で対応可能とのアドバイスをいただきました。具体的には右足のかかと外側にほんの少し手を入れるだけでよい、さらにインソールを利用、とのこと。その場で実際に調整していただき、快適さを実感しました。
さらに、目からウロコの靴の選び方や履き方についてもご指導いただきました。これを機に「歩くこと」を改めて意識し、丁寧に実践しながら楽しんでいきたいと思います。