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シン・ジン『脱人間論』

脱人間論
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"我々は今、「人間の腐蝕」という時代を生きている。肉体が人間を滅ぼしていくのを、我々は見るだろう。人間とは、魂なのだ。人間は、ただの生き物ではない。肉体が朽ちる時、人間の復活が始まるに違いない。" - 執行草舟 -

*TAO LABより
この著作を昨年11月、知人より教えていただき、拝読。
一発でシビれ、その後、他の著作もほとんど手に入れ〜真情に響く氏のコトダマ=著作はなんとも力強く、美しく、また、儚く、哀しい...今後とも何度も何度も読み返すことになるであろう。
また有り難いことに面識を得、お付き合いさせていただいている。
いつか氏と一緒に書籍を創ってみたい〜そんな夢も抱かせていただいています。

さて〜著者のいう三大毒素とは民主主義、ヒューマニズム、科学文明である。行き過ぎた三大毒に翻弄され、本来の人間としての躍動を失った現代人。
そんな私たちには、もはや現代の「人間」観を捨て去り、「ただ独りで生き、ただ独りで死ぬ」道しか残されていない、と執行草舟は激しく警鐘を鳴らします。

「人間」...誰しもが疑問も無く使うコトバ〜果たして「人類」は?「私」は??「人間」なのだろうか???
ある時まで「人間だもん」という響きが好きでしたが、今は違います。
「人間」ではなく「人」になる〜「ヒト」というオトダマに惹かれ、憧れます。

『脱人間論』は「ヒト」への道しるべかと。

「原初の人々は、人間を神の分霊と言っていた。神の分霊として、宇宙の霊魂は地球に降り注いでいた。そして、その分霊の一部が、後に人間の魂となり、地球上に棲息(せいそく)していた類人猿に入ることによって、肉体を持つ人類が生まれた。だから、まず魂となったものの原型は、全体的な存在である神の分霊だと言える。その分霊がまた分離して一人ひとりの人間に入ることによって、個々の人間が生まれた」

「人間」ではなく「ヒト」に還る...物質万能の苦しい時代に、もう一度「魂」を本然とする「ヒト」を取り戻すための思索に貫かれた、警世と希望の一冊です。

【第一章 人間の出発】
人間とは何か/人間を忘れた「人間」/認識がすべての始まり/神とは何か/愛は苦難を伴う/文明の本質 etc.
【第二章 人間の証明】
大衆は審判者か/魂の宿るもの/肉体は器/差別が文明を創った/愚かさは強い/逆説に生きる etc.
【第三章 人間の本源】
不可能なものが欲しい/狂気と人間/青春の苦悩はもはやない/反幸福のすすめ/過酷さと優しさの均衡 etc.
【第四章 人間の歴史】
神の模倣/性と暴力/悪徳の始まり/無駄が人間なのだ/畏れは知識のはじめ/肉体を拒絶する何ものか etc.
【第五章 人間の超克】
魂と肉体の興亡/生は未完の死/逆さまに生まれた人間/愛は所有しない/「負い目」と発展 etc.
【第六章 人間の面目】
面目とは何か/レデー・メードの死/不平等に敬意を/武士道とキリスト教の融合/宗教の終わりetc.
【第七章 人間の未来】
名前を持つこと/全員一致の嘘/正気という無気力/人間は地球の黴/人間は何かに宿る etc.
【第八章 人間の終焉】
人間という傲慢さ/AIの告げること/善とは何か/ただ独りで生き、ただ独りで死ぬ/絶点を想え etc.

オススメ!

余談ですが、執行さんのコトダマ=著作、凛とした波動、装幀とともに醸し出すバイブス、カッコいいかと〜:)

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