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万物日本霊長辞典

天晴れな日本人〜出光佐三さんの故郷を訪ねて

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*TAO LABより
子供時代、ほとんど交流の無かった父に珍しく連れられ本屋に...そこで買ってくれた子供向けの伝記「松下幸之助伝」低学年の時だったか。そしてある時、突然、学校を休めといわれ連れて行かれた映画館...男同士で観たのは「十戒」、たしか三年生か四年生の頃。やんちゃで一見強面、でも、きっと愛嬌があり狡いことはしないであろう父との数少ない思い出です。なかなかナイスセンスなセレクトかと今、感じます:)

松下幸之助と共にその後惹かれたのは本田宗一郎...バイクや車には全然興味無いのですが、中学ぐらいから彼についての書籍、沢山読みました。30代後半、ある意味大変な時、また、お金真っ当に肉体労働で貯めたくて1年ほど浜松にあるホンダの工場で期間工として働いていました。精神的物質的に辛い時、その時、工場の中で本田宗一郎の魂に慰められ勇気づけられ、何回か有り難い涙とともに護られていること感じました。

松下幸之助さん、本田宗一郎さんととも出光佐三さん...この年齢になってハマっております。この三人の人物、天晴れな偉大な日本人あきんど経営者たちと確信しております。
先日、九州福岡宗像+赤間、出光佐三さんの故郷にカラダを持っていき、ご挨拶差し上げました。

*出光佐三さんの言の葉
世界の平和福祉は人によって創られる〜真の奴隷解放

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奴隷解放と言えば、一般には人間が人間を奴隷として扱うなという意味で言われているが、わたしの言う奴隷解放はそうではなく人間が人間以外のものの奴隷になるなということである。
いまの世の中を見ると、あまりにも人間が人間ばなれして人間以外のものにふりまわされている。そこに現代の混乱と行き詰まりの原因があるように思える。
私は日本人の事業経営を終始一貫してきた体験から、日本人は奴隷解放を実行出来る民族であるという信念を持っている。ところが、明治時代にそれまでの精神文明ばかりではいけないというので、西洋の物質文明を輸入したが、物質文明が余りにも派手で魅力的であるため、次第にそのトリコとなってしまい、ことに、今度の戦争に負けてから日本の亡国化を目指す占領政策によって徹底的に痛めつけられたために、心、精神を中心とした本来の日本人の姿が見失われてしまっている。
日本人が一日も早く本来の日本人にかえって、人間の真心を中心として、一によってすべてが決するという形を作って、物の奴隷となって行き詰まっている世界の人々に、人間のあり方の見本を提供しなければならない。
私が二十数年来、「日本人にかえれ」とか「日本人の世界的使命」と言って、財界、教育界を始めとしてあらゆる方面に呼びかけている所以もそこにある。』

*出光さんが気づいた訴えた七つの奴隷解放
下記、今から50年〜100年前に出光さんが述べていたこと。あらためて現代を振り返り、詳しくは自ら出光さんの著作等読み咀嚼消化して下さい。なるほど、おっしゃる通り、と納得する内容です。

・学生時代〜戦前
「黄金の奴隷になるな」
事業は金儲けではない。

「学問の奴隷になるな」
実行の尊厳。

・戦中
「組織、機構の奴隷になるな」
組織は無を持って理想、心の中にある。

・戦後
「権力の奴隷になるな」
叛骨〜努めて難路を歩け。

「数や理論の奴隷になるな」
人間の質を無視して、屁理屈を並べるな。

「資本主義、社会主義、共産主義の奴隷になるな」
自己主張ではなく、自己尊重。対立闘争ではなく、相互尊重。

「モラルの奴隷になるな」
モラルと道徳は違う。

*生家
唐津街道の赤間宿に位置する。元々は藍問屋だったそうです。
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*出光佐三展示室
同じ街道にある展示室。
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*お墓参り
この街道から少し入った小高い丘に。そこから見える、ナント!出光石油〜粋な計らい、傑作でした:)
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*宗像大社
宗像大社本殿〜辺津宮
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第二宮第三宮〜高宮祭場
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出光佐三さんが宗像大社を厚く信仰していたことは、よく知られてます。戦前、ボロボロになっていた大社を昭和17年に、「宗像神社復興期成会」を結成し、会長となり戦中戦後、私財を投じ宗像大社復興のために尽力、結果、沖ノ島の学術調査から大社の復興と共に世界遺産へと登録される道筋に多大なる貢献をしました。
やはり、天晴れな日本人のひとりですね!!!

*余談
今回、あらためて宗像訪ね、発見したこと〜宗像と伊豆はご縁深いこと、地元の方より教えられました。
こちらに幻の酒米「亀の尾」を純米大吟醸を造る伊豆本店という蔵があります。
こちらは「もともとは、静岡の伊豆の伊東にいて、参勤交代か何かでこちらに来たと聞いています。はじめは、荒物屋を営んでいて、それこそ雑貨や日用品から薬までいろんなものを扱っていました。ある時、幕府から『米があるから何かできないか』ということで、酒を造りはじめたようです。創業は、この場所に来た1717年としていますが、もっと前から酒造りをしていたと聞いています」と話すのは、現在、12代目社長の伊豆善之さん。
ですか〜自分はその伊豆伊東から来ました〜:)

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