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YAJIN LENS by 岩崎努

第2集:「下田芸者衆」

(1)下田芸者衆が舞う!
毎年3月27日に開催される下田市の「お吉祭り」。
悲劇のヒロインとされるお吉さんは、小説などの中でのフィクションの人物です。
本名は、斎藤吉であり、実際は江戸と明治の時代を逞しく生きた下田出身の女性です。
下田芸者衆は、彼女の霊を弔い、踊る、言わばお吉さんを慕うお弟子さんのようなもの。
この「お吉祭り」は、伝統の心を引き継ぐ下田芸者衆の大舞台になります。
写真は、駅で列車の乗客の皆様をお迎えする催しでの一コマ。

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写真転載複製厳禁
場所:伊豆急下田駅構内
日付:2021年3月27日
データ:Nikon Df , f 5.6 ss 1/125 ISO 400


(2)下田芸者衆の伝統
下田芸者の娘たちが慕う、検番の桝屋奈美さん。
この姿の心は、お吉さんが芸事を教わった師匠に通ずるものがあると、この場面で感じました。
人が人を引き継ぎ、そして受け継がれてゆく。
伝統の心はこのような場面から生まれるのでしょう。

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写真転載複製厳禁
場所:下田市宝福寺
日付:2020年3月27日
データ:Nikon Df, f 3.5 ss 1/60 ISO 1600


(3)今のお吉さんとお福さん
唐人お吉の物語の女性の登場人物を描いた唄が今に受け継がれています。
「お吉祭り」では、その唄と舞が披露されます。
この写真は、ハリスへの想いに感情が錯綜する女性たちのラストの決めポーズ。
お吉役とお福役の役者さんの〆の表情です。
我ながら、上手く撮れていると思います(笑)。
(左がお吉役の桝屋し乃ちゃん、右がお福役の桝屋天花ちゃん)

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写真転載複製厳禁
場所:下田市宝福寺
日付:2022年3月27日
データ:Nikon Df, f11 ss 1/60 ISO 160


岩崎 努 プロフィール
1963年4月生まれ。京都市出身。
上智大学文学部哲学科卒業後、出版社勤務、水泳のインストラクターなどを経て、同志社大学大学院文学部西洋史科に入学。
在学中に、イタリアのペルージア大学付属機関「古代社会研究所」に籍を置き古代イタリア民族「エトルスキ」の文明研究を続ける。
帰国後、病のため研究を断念、2013年11月に下田市に移住。
2016年に下田市の「第4回下岡蓮杖フォトコンテスト」にてグランプリを受賞し、写真家の道を歩み、現在に至る。
344513050_809874237191773_284151678235558685_n.jpgのサムネイル画像

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