MAGAZINEマガジン

連載

本日の一枚

『EcoMusica/Aves』鳥はさえずる。花はひらく。ピアノは空をつつむ。

野鳥のアーカイブ、ピアノ・アンビエント、ポスト・クラシカル...日本の野鳥たちとブラジルのピアニスト、ファビオ・カラムルとの共演。
EcoMusica/Avesは、彼のこれまでの創作 〜《自然への愛と音楽性を融合させた》〜 の頂点にある。

EcoMúsica.jpg

EcoMusica/Aves
Fábio Caramuru


ブラジル・サンパウロ出身のピアニストで、ブラジル国内にて、アントニオ・カルロス・ジョビンの研究家としても評価されている、ファビオ・カラムル。

2016年にリリースされた「Eco Musica」は、ありそうでなかった、ブラジルの動物達と、彼のピアノが向き合った臨場感あるセッションが収録され、多くの日本のリスナーの耳にも届くこととなる。やがて日本ツアーを実現するに至るほど、彼の音楽は日本でも受け入れられ、そして実際に日本に触れたファビオさんも、日本での滞在中の、心の通った交流を始め、多くのインスピレーションを得ることとなる。
その結果、NPO法人バードリサーチが所有する、日本国内に生息している20種もの野鳥の声のアーカイブを使用することで本作が完成したそうだ。

"制作は、鳥の声を選ぶところから始まります。鳴き声がピアノとどのように響き合うか、その可能性を考えながら、多様性と音楽性の基準を探るんだ。まずは、録音された40の鳥の声を選び、それに合わせて即興で素早く何曲か作ってみて、最初の構成とテーマを決めることにした。そして、ピアノに合うかどうかを念頭に置きながら、20の鳥を選んだんだよ。それから、サウンドエンジニアが鳥の音の基礎となるトラックを用意し、各曲約5分間のループを作る。私は、ひと月の間に、トラックに合わせて即興で演奏し、テーマや構成を具体化して数曲作り、自分で録音しては結果をチェックしてアイディアを磨いて行った。今話しているのは、即興のことだよ。"

"最後に、2度のレコーディングセッションを行い、ヘッドフォンで鳥の声を聴きながら、構成を頭に置きつつ、ときに現れる新しいアイディアも取り入れながら数曲録音した。編曲工程で、各曲に最終的なフォーマットを与え、鳥の"サウンドデザイン"(鳥の声が音楽の中に正確なタイミングで現れているか、音楽的躍動感に合っているかを見て、ピアノとの組み合わせを調整)を行った。"

"確かに。この作品はこれまでのすべての経験が統合されて発揮されているという点でユニークだと思う。成熟した作品で、複数の音楽スタイルとジャンルに対する情熱、そして自然への惜しみない愛の結晶だ。私はクラシック音楽のピアニストとしてキャリアをスタートし、後に分野を広げて、ブラジル音楽(Tom Jobim、Camargo Guernieri、Heitor Villa-Lobos)の弾き手として認知され、演奏家、作曲家となった。この作品は、"ブラジル的"作品では全くない。普遍的なものであると思う。"

とのこと。

この音楽、田舎で聴いていると、外で鳴いている鳥も参加して、なんだか〜さらに素晴らしい音の波に包まれます。

全曲アップされてました。
お楽しみ下さい〜:)

NEXT

PAGE TOP