"命を散らすときに、思い浮かぶのは誰か"

『終末なにしてますか？　忙しいですか？　救ってもらっていいですか？ 』
枯野　瑛　著 / ue　イラスト　　角川スニーカー文庫 ＃１～＃５、＃EX

ファンタジー＆バトルものの舞台でありながらヒューマンドラマに与する作品。
地上に蔓延る『獣』、それから逃れた者たちが生きる浮遊大陸。それを護るために公にされることなく命を散らす人間の形をした霊体――黄金妖精（レプラカーン）。
一人目の主人公はそんな妖精の女の子である。
そしてもう一人の主人公はその世界で唯一生きている「人間」であり、浮遊大陸を護る軍機構から秘匿存在である妖精たちの監督を任された技官であった。
大義名分の為ではなく、瞼に映る誰かのために命の灯を燃やす彼、彼女らの戦いを優しく、静に。古写真のように輝きはなくともどこか暖かな筆致で描いた作品。

→川奈　みろく