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万物日本霊長辞典

吉原義人

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天才的な刀鍛冶。
人気も実力も当代随一である。現在全国の刀鍛冶は300人ほどいるが、その頂点を極め、様々な輝かしい賞歴を持っている。伊勢神宮の御神刀を五振り作刀している。又、刀匠として唯一メトロポリタン美術館、ボストン美術館にも買い上げられ陳列されている。しかし刀剣界も厳しく、刀だけで生活出来るのは30人程度。底辺は技術的にも追い付かず、兼業もやむなく、刀鍛冶である事を利用し粗悪な包丁などの販売を行う者もいる。上位を目指す未来の名工達は、刀の価格に比べ必要経費と製作時間が掛かり過ぎ、リスキーな部分も多く経済的には恵まれていない。
吉原氏は刀剣界が少しでも良くなるように時間をとり、美術品としての普及に努めている。また、美術刀剣界の顔でもあり、海外から様々な形で要請があり、国際的な刀鍛冶である。

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*TAO LABより
ひょんなことで吉原さんの存在を知り、NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀 "鍛えてこそ、本物になる~刀鍛冶・吉原義人~"』も拝見。
で、あらためて世界でも稀有な日本刀の合理性と機能美、さらにその根底を支えている精神性に興味を持ち、調べ始めています。

『日本刀の科学』
この本、読み始めています。
〜出版社より〜
武器としての機能に関しての科学的な調査もなされています。例えば、和鉄(和鋼)の「折り返し鍛練」や、材料特性の異なる和鉄を組み合わせて鍛接する「造り込み」についての材料学的に詳細な研究があります。また、焼入れによる反りの発生メカニズムの力学的研究や、日本刀の刀身と柄を留めている唯一の部材である1本の目釘竹で、なぜ、激しい打ち合いにおいても折損(せっそん)しないのか、など最近の衝撃工学的研究もあり、日本刀が現代科学の理にかなったものであることが明らかにされつつあります。

とのこと。

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武器にも関わらず、「武士の魂」「精神的な拠り所」といわれる日本刀...凄い、深い...脱帽、敬服。


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