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「自他一如」〜医の現場から見えること〜 by 岡田恒良

第三十一回 『2つのウイルス対策』

なんかおかしい。なんだこの世界の大混乱は!

世直しの大波がこんな形で現れるとは!誰にも予想できなかったこと。
以前から明治→大正→昭和の歴史に現れている変化が、昭和→平成→令和に似てくるのではないかと感じていた。
ペリーに恫喝されて始まった明治の維新。内乱・激変の波をかろうじて乗り越え、やがては日清・日露に勝利して国力を充実させた。
そして迎えた大正期。明治の人たちの努力のおかげで平和で陽気な安定期であった。
年号変わって昭和の4年。突如大恐慌が始まってやがてカオスの大戦争に陥っていった。

一方戦後昭和→平成→令和の変化はどうだろう。
大戦後の日本は大混乱の中、遅れた技術を取り戻そうと必死の努力。明治に似通っている。そして平成の30年間昭和に培われた優れた産業技術のおかげで、何ら変化もなく安定した時間をむさぼった。もちろん、神戸・東北と大震災が襲い、洪水氾濫なども多発したが、何とか維持回復してきた。
そして迎えた令和2年。全く予想もしなかった方角から世界を震撼させる事態が襲ってきた。

なんか戦前昭和に似ていないか?退廃的大正デカダンスを経て、のんびり迎えた昭和にいきなりの不況。一方あぐらをかいて過ごした平成30年間、令和になって強烈なパンチ=コロナ!

ともあれ現実は対策を迫られている!この事態をどう捉えるか?

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プランA
1.感染者をいち早く把握するため、早急に全ての市民にウイルス検査を施行しする。
2.抗ウイルス薬の開発を急ぎ、コロナウイルス感染症の治療法を確立する。
3.さらにこの新型コロナウイルスに対する特異的ワクチンを開発、二度とこの感染症が起こらないよう防止できるようにする。
4.今後予想される新手のウイルスに対しても、いち早く抗ウイルス薬が投与できるよう体制を整える。

一方、こういうのはどうだろう。

プランB
1.農薬添加物の少ない、安全な食品が広まり、植物食がメニューの第一選択になっていく。
2. そうした健康食により腸内細菌が豊かになり、全身の常在菌が強力なバリアーになる。
3. 毎日定期的な運動習慣が身について、発汗が促され平均体温も上昇する。
4. こうしてできる限りの免疫力アップに努力が注がれ、超健康な生活を目指す。
5.それでもウイルスに負けたなら、それはある意味仕方がないこと。

プランAは、それこそ今世界中が求めている方法です。薬ができたなら、すぐにでも使います。しかしこうした新薬を今後も使い続けて、ワクチン投与をし続けて果たしていいことなのでしょうか。

プランBを目指しつつ、至らないうちはプランAのお世話にもなる、というところでしょうか。


*著者 プロフィール
なごやかクリニック院長
名古屋醫新の会代表 
岡田 恒良(おかだつねよし)
https://www.facebook.com/tsuneyoshi.okada1
1955年岐阜県生まれ
1980年岩手医科大学卒
約20年消化器系一般外科医として通常に病院勤務。市民病院で外科部長として勤務中、ある先輩外科医との運命的出会いがあり、過剰医療や過剰投薬の現状に気づき、自然医学に目覚める。
1999年千島喜久男博士の勉強会を名古屋で主催、マクロビオティックの久司道夫氏の講演会企画をきっかけに病院を辞職。
御茶ノ水クリニックの森下敬一博士の機関誌《国際自然医学》に「自然医学の病態生理学」を長期連載。中山武氏の主催するがんの患者会「いずみの会」の顧問をしながら安保徹教授の講演会を開催し、親交を深めた。
看護学校にて補完代替医療について講義中。
2006年コロンビアのドクトル井上アトム氏に出会い、運動療法・自然療法の重要性を認識。以来南米に3度訪れる。 「自他一如」の探求は2000年から続く。

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