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「自他一如」〜医の現場から見えること〜 by 岡田恒良

第二十八回 『マイケル・ジャクソンがスリラーで言いたかったこと by 安富歩』 

*TAO LABより
今回の岡田先生のテーマはMJ。個人的に大好きなアーティストのひとりです。彼の作品+パフォーマンスはホーリー=光を感じ、やられてしまいます。
安冨さんのこと、失礼ながらよく知りませんでしたが、この安冨さんの視点には岡田先生同様、「我が意を得たり」〜さっそく、読んでみたいと思いました。

今回、下記にて取り上げられた楽曲、なるたけ日本語訳あるもの探し、添付しました。岡田先生の文章とともにお楽しみください。

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マイケルのスリラー(Thriller)を知らない人はいないと思います。
ゾンビが出てきて若いカップルに襲いかかります。さらにマイケル自身もゾンビになり彼女に襲いかかるわけですが、ゾンビは何を意味しているのでしょうか。

よく見るとゾンビの服装が棺桶にいた服装でなく、一般生活をしている人たちのお洒落な普通のファッションなのです。
そう彼らは日常に生活している市民たち、そして実は魂を売り渡してしまって、虚しく生きている現代人そのものなのです。

魂を売り渡した人々とは、つまり周囲に逆らえないでおかしいとは感じていても反対できず生きている小市民、上司や年長者に忖度して生きている役人たち。まだまだあります。かわいそうだな思いながらも夜遅くまで子供を塾通いさせ、比べることや争うこうとを押し付けていく親たち。酒に溺れギャンブルに溺れ、そのくせ批評ばかりしている大人たち。

マイケル・ジャクソンにスムース・クリミナル(Smooth climinal)というヒットソングがあります。

このスムースな(いつの間にか犯している)クリミナル(犯罪)、これこそが、日常の現世的な判断による行動、利己的な行動、押し流される意気地のない行動、孤独を恐れ、忖度してしまう行動、それらなのです。

スムースという語は、滑らか、スマートなど良い意味に使われますが、あえてマイケルはその語を用いて、状況に合わせ良いと思ってやっている行為が一番の犯罪であると言いたいのです。

そうして勇気を持って抵抗した結果が「ジャム」の歌に現れます。
ジャムとは渋滞であり、抵抗した結果であり、しぶとさでもあります。スムースの対局です。スムースに済まそうとしていないで、ジャムし、トラブルを覚悟し、混乱を引き起こしてでも行動に移そうと呼びかけているのです。

もちろんこれらは安富歩氏の見解ではありますが、非常に説得力があるとは思いませんか。

マイケルは無意味な楽曲は作っていません。
この後ヒール・ザ・ワールド(Heal the world)、マン・イン・ザ・ミラー(Man in the mirror)などで、世界中の人々ににわかって欲しい、変わって欲しい、強く強く訴えているのです。ウィルユービーゼア(Will you be there)は圧巻です。母に、そしてテイタムに訴えるように、同時に神に訴えているように歌います。そして子どもたちに真の愛を注いでほしい、子どもたちに対しどうか強制したり利己的な教育をしないでほしいと歌っています。

マイケルは父の激しいスパルタ教育と母のエホバの証人による強制的宗教活動にさらされ、とても息苦しい少年時代を過ごしました。その頃の唯一の友達がテイタム・オニールでした。ライアン・オニールの娘として子役からデビュー。マイケルと知り合います。超多忙な二人はなかなか会えませんでしたが長電話などでお互いを信頼試合っていたそうです。

ところが、1978年マイケルジャクソンが自らも出演したミュージカル映画「ウィズ」の試写会にテイタムを誘ったが、体良く断られたということです。つまり彼女のエイジェントが黒人とのデートを禁止したからです。つまり彼女が最初にスムース・クリミナルを犯したというわけです。彼はそれでも麻薬中毒だった彼女(父の影響)を救い出そうとします。映画「ウィズ」にはそういうメッセージもあり、ぜひ一緒に鑑賞したかったというわけです。

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最初で最後の本当の恋人との思い出はマイケルの脳裏にこびりつき、ユー・アー・ノットアロン(You are not alone)、キャント・ストップ・ラビング・ユー(I just can't stop loving you)などを切々と歌います。ライブを見ていると本当に心を込めて歌い、最後には本当に泣き崩れていることがわかります。

堂々とメッセージを込めた作品、Bad(=悪とは社会に抵抗するもの) も Black and white(黒と白は、正義と悪も意味している) もこうして見方で見ると、すべて納得がいく楽曲です。We've had enoughこれも堂々と反戦を歌っていますが、残念ながらあまりプロモーションされませんでした。

参考:マイケルジャクソンの思想 安冨歩 


*著者 プロフィール
なごやかクリニック院長
名古屋醫新の会代表 
岡田 恒良(おかだつねよし)
https://www.facebook.com/tsuneyoshi.okada1
1955年岐阜県生まれ
1980年岩手医科大学卒
約20年消化器系一般外科医として通常に病院勤務。市民病院で外科部長として勤務中、ある先輩外科医との運命的出会いがあり、過剰医療や過剰投薬の現状に気づき、自然医学に目覚める。
1999年千島喜久男博士の勉強会を名古屋で主催、マクロビオティックの久司道夫氏の講演会企画をきっかけに病院を辞職。
御茶ノ水クリニックの森下敬一博士の機関誌《国際自然医学》に「自然医学の病態生理学」を長期連載。中山武氏の主催するがんの患者会「いずみの会」の顧問をしながら安保徹教授の講演会を開催し、親交を深めた。
看護学校にて補完代替医療について講義中。
2006年コロンビアのドクトル井上アトム氏に出会い、運動療法・自然療法の重要性を認識。以来南米に3度訪れる。 「自他一如」の探求は2000年から続く。

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