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本日の一枚

Songlines

*TAO LABより
ワールド・ミュージックという響きを知ったのは10代の頃=70年代に愛読していた「ニューミュージックマガジン」によってだ。当時はロックやフォークに代表される西洋音楽ではない、アフリカ・中南米・アジア・中近東もしくは島々等で歌い奏でられている音楽という理解だった。カラード・ミュージックともいえる。もしくは伝統的な音楽。80年代六本木にあったイカしたレコードショップ「WAVE」によくそんな音源掘りに行ったものでした。
でも、ある時からすべての音楽はワールド・ミュージック=地球民族音楽だと思うようになったよ。

さてアメリカを代表するワールドミュージックといったらブルースもその一つかと。
で、先月別のユニットで来日していたデレク・トラックス率いるこのバンドのこのアルバムを今回はピックアップ。
10代の頃からすでに燻し銀〜40代を迎えた今、ますますヤバい音色奏でてます。

Songlines.jpg

Songlines』DVD付二枚組
The Derek Trucks Band

*ピーター・バラカン氏の記事から引用転載
徹底的に「オールド・スクール」な演奏をするデレクたちは一切コンピューターのお世話にならず、キーボードとフルートを担当するコーフィ・バーブリッジュがこなす楽器の中で最も新しいのは70年代に流行ったクラヴィネット。それ以外はハモンド・オルガンとエレクトリック・ピアノが中心なので、21世紀のバンドとは思えないかも知れません。

しかし感性は斬新で、パキスタンの大歌手ヌスラット・ファテ・アリ・ハーンの持ち歌「Sahib Teri Bandi/Maki Madni」を10分ほどのインストルメンタルのメドリーで演奏したのは画期的でした。この曲のギターと一緒にとりわけ感動したのは「I Wish I Knew(How It Would Feel To Be Free)」。主にニーナ・シモーンの歌で知られるこのゴスペル調の曲をぼくはこのアルバムで出会ったもので、心臓が破裂するのではないかと思うほどデレクのスライド・ギターに感激したのです。

アルバム発表後に出たライヴのDVDと一時期国内盤で2枚組のセットになっていたので、それがいちばんお薦めですが、入手しにくい場合は別々にどうぞ。とにかく名盤です。

"Sahib Teri Bandi / Maki Madni"

"I Wish I Knew (How It Would Feel To Be Free)"

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