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LOOPWHEELER

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*ループウィラーHPよりリミックス
現在でも数多くの人々から愛され続けているVINTAGEスウェット。それらは1940年代後半から1960年代中盤にアメリカで作られたものです。生地が「TSURIAMIKI=吊り編み機」で作られてるから風合いが長持ちするのです。しかしこの編み機は1時間に1メートル程度しか生地を編めません。現代となっては非効率的な機械なのです。いま世に出回っている殆どのスウェットはシンカー編み機と呼ばれる大量生産向けの高速編み機によって生地が編まれています。更にアメリカではもう吊り編み機がありません。どこを探しても世界中で吊り編み機で裏毛を編めるのは日本の和歌山だけなのです。

吊り編み機の生産効率については、これまでにLOOPWHEELERでは「1時間に1m」と解説して参りましたが、この1時間に1mとは吊り裏毛の生地の生産についての数値なのです。当然編む生地の組織によっても生産速度は変化します。ポロシャツに使われている吊り鹿の子の生地は1時間に 0.3mしか編めません。それに比べ高速のシンカー編み機では裏毛で10m以上、鹿の子では3m以上も編むことができるのです。そのため経済発展を遂げる大量生産の時代に吊り編み機、丸編み機の数は激減しました。

昔は丸編み工場が軒を並べて日本一栄えた街だった和歌山。現在その和歌山で吊り裏毛が編める工場は2社しかありません。カネキチ工業株式会社と和田メリヤス株式会社です。

生地の編み立ては和歌山でしたが、その生地を縫製する工場は東北地方に多くあります。昔は工場はみな東京にあったのですが、1960年代〜1970年代頃からファクトリー機能を地方に移すケースが多くなりました。新幹線などの鉄道や、高速道路網の発達で東京からの流通効率も良くなりました。LOOPWHEELERの製品の縫製〜仕上げ行程の多くをお願いしているのは丸和繊維工業株式会社の青森縫製工場アプティマルワです。海外生産の多い昨今、日本国内の生産工場は貴重な存在になりつつあります。

*PHILOSOPHY
「世界一、正統なスウェットシャツ」を。
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そんな思いから1999年にLOOPWHEELERはスタートしました。 熟練した技術を持つ職人の手によって生み出される「着心地のよい」吊り編みものだけを世界に発信しています。 それはなぜ可能になるのか。 吊り編み機と縫製の経験値豊かな職人達。 そして全ての工程に携わる人との絆から生まれる、確かな技術力と生産工場が背景にあるからです。 誇れるメイドイン・ジャパンのスウェットウェアを生産、吊り編み生地の新しい世界観を、初心のままに創り続けています。

「吊り編み機」は1960年半ばまではスウェットシャツの生地を生産するにはごく一般的な編み機でした。その出来あがった生地の最大の特徴は「やわらかさ」、この言葉に集約されます。人の肌に一番近い衣服として、またトレーニングウェアとしてくり返し洗濯してもその特性が失われにくい吊り編み生地の特性は、スウェットシャツやTシャツの素材として最適でした。しかし、衣料品にも大量生産・大量消費の時代が訪れ、効率重視の生産体制が築かれる中、この吊り編み機は徐々にその姿を消してゆきます。たとえば「吊り裏毛」は1時間に1mしか編むことが出来ず、さらには職人が常時、編み機の調整を行いながらの稼動になるため、多くの工場がコンピュータ制御の最新の編み機を導入する事で、生産効率を上げていきました。

現在吊り編み機は、日本の和歌山に約400台が存在し、そのうちの約200台が稼動しています。 熟練工の技術(編み立て、修理、整備等)を必要としながらの生産過程は、確かに非効率の極みかも知れません。ですが、ここには真っ当なものつくりの姿勢があります。何気なく毎日袖を通すスウェットシャツやTシャツ、この肌に一番近い1st.レイヤーであるアイテムの「着心地のよさ」を、素材、デザイン、パターン、縫製における ベストな行程を経て、完成させます。60年代以前に作られたスウェットシャツはヴィンテージアイテムとして時代を超えて愛されています。吊り編み機を使用したこれらの生地は長年の使用にもへこたれることなく、着続けることができます。

一つの服を着心地よく、長年にわたってその風合いを失うことなく、次の世代へ味わいを残し続けることができるということ。 そしてその為に、生産現場の背景を未来に存続させてゆくということ。 私達、LOOPWHEELERが「世界一、正統なスウェットシャツ」を目指し、歩む理由がここにあります。

LOOPWHEELER HP

*TAO LABより
流行に流されない真っ当なカッコよさ。
食や本や映像その他で表現したいTAO LABの想いと相通じるので大好きなブランドのひとつです。最近は服をあまり持たない買わないからこそ、意識して、めいどいんじゃぱんの服や靴をチョイスしています。

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Sサイズでもいいのですが、Mサイズをチョイス。

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