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+△◯探訪記 書店

名古屋〜根ざし、寄りそい、在りつづける単館本屋

...先月から書店を回ろうと決心。

お客さんとしてではなく、本格的に出版社を運営しはじめたのでまずは営業として。
また、限られたスペースの中、とんでもない数の本のなかからピックアップしたこだわりのセレクトと並べ方。その街の雰囲気、店内や集うお客様も含めたそこにしかない空気観。デジタルである「POS」「AI」や「VR」とちがう個性的な「人」が創るリアルなアナログ感。
そんな「サービス」と「場」をもつ個性的な書店も生活観光の訪問先として個人的にも楽しもうという一石二鳥の営みです。

インターネットのない時代、さらに思春期の頃...
毎回楽しみにしていたミニコミや大手出版の雑誌とともに本屋やレコード店、映画館はホンモノの学校でした。そんな時代も終わり、ネットで事足りてしまう時代だからこそ、原点回帰。もう一度、あらためて通学探訪してみようかと。

第一回はここ。
名古屋にある全国の出版関係者、本屋&書店員さん、本好きにリスペクトされている『ちくさ正文館』

先月、名古屋書店めぐりのおり、いくつか廻った書店の方が口を揃えて推薦する書店。さらに現在店長をしている古田さんにぜひ!会うべきですね!!、とのことで。
そのときは残念ながら時間なく、訪ねること叶わなかったけど、思った以上にはやくお店を訪ねることが出来ました。

4月10日夜に京都から名古屋入り。11日は今のテーマの1つ、日本語脳の掘り下げを名古屋+沖縄の方たちと。12日当日、栄から約束の時間より早めに、地下鉄で千種へ。駅を出ると目の前には『ちくさ正文館ターミナル店』が。ここは主に雑誌、文庫、コミック、学習参考書を展開とのこと。目的は古田さんがいらっしゃる『ちくさ正文館本店』。そこまでも目と鼻の先だ。

ここが『ちくさ正文館本店』
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二つある入口。
こっち↑ではなく、こちら↓から入りました。

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中に入るとこんな感じ。
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大型店ではなく、地方にあるフツーのローカルの書店が二つ縦に並んでいるかのようなうなぎの寝床的サイズ...でも、品揃えが!なるほど!!そういうことか!!!、と。

また、こういう張り紙やこういう書棚コーナーがなんだか押しつけではないんだけどポリシーを明確にあらわしていて嬉しい。
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311から早7年...日本は地理的地形上、自然天然豊かな国。でも反面、だからこそ天災が多い国でもある。備えあれば憂いなし、ですね。

よい意味で文芸書、ビジネス書、実用書とかは売れ線置きながら、ここならではのセレクトはやはり人文関係。そちらも濃かったけど、アートや音楽、映画演劇等のこのコーナーの品揃えも流石でした。ミーハー軽薄(が、悪いわけではないけど...ネ)ではない、残る文化(クラシック...人類の財産ともいえますネ)を揃えていました。
70年代終わりごろまでは本屋さんとはこういうところだったなぁ、思い出した次第。
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まだ約束の時間まで1時間ほどあったので、ここで発刊を知り購入した伊藤穰一氏の新著教養としてのテクノロジー―AI、仮想通貨、ブロックチェーンを持って、2階にあるギャラリーカフェで一息。
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本をめくりながら過ごしていたら...古田さんかと思われる方がカフェに上がってきた。まだちょい時間前だけど、このタイミングでご挨拶。

「古田です、いらっしゃい」と優しい笑顔と声の響き。
「ちょっとやることやって、上がってきますから、ゆっくりしてて」と1階の書店に。

ほぼ、約束の時間、ふたたび古田さんが2階に上がってきた。

事前につくった書籍は送らせてもらいました。
その上で、まずはなぜ出版社をつくったか?これらの書籍がつくられるやむにやまれぬきっかけを聴いていただいた。また古田さんだからこそ、共有できるかと10代前半の竹中労や寺山修司との個人的な出会いや交流、60年代から70年代にかけての映画や音楽のことなども。
そんな一方的なはなしを受け止めてくれ、また、ルーツ(母の故郷は豊橋)のひとつでもあるこのエリアの今昔ばなしも聞かせていただいた。
現場に戻る古田さんは「ゆっくりしてって」と同じフレーズをふたたび投げかけてくれ、1階の本屋に戻っていきました。いや〜なんとも時が戻ったような嬉しいありがたい出会いでした。

ここで古田さんにインタビューした本『名古屋とちくさ正文館』の帯から下記転載しますね。

「名古屋での定点観測と出版業の将来〜学生時代から映画の自由上映にかかわった著者は、1974年、ちくさ正文館にバイトで入社、78年社員。それ以後40年に渡り、文学好きな経営者のもと、"名古屋に古田あり"と謳われた名物店長となる〜ブックフェアと時代の変化を考える〜名古屋モダニズムの伝統を引き継いで...」

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『中国新聞』(2013年11月19日付)

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『中日新聞』(2013年10月31日付)

『七五書店』の熊谷さんのこの記事は先程見つけ、伝えたかったことが上手くまとまっていたので転載アップさせてもらいます。

古田さん+ちくさ正文館、ありがとうございました!あらためて知った『七五書店』を次回名古屋に行ったときにはぜひ訪ねたいと思いました。

名古屋 ちくさ正文館本店
〒464-0075
愛知県名古屋市千種区内山-3-28-1
Tel:052-741-1137
Fax:052-741-1130
営業時間:10:00~21:00(日・祝日:~20:00)
休日:1月1日、1月2日

ありがたいアドバイス、正文館+古田さんの存在を教えてくれた『ON READING』の黒田さん、さらに古田さんに連絡してくれた『ジュンク堂書店名古屋ロフト店』の人文担当の佐藤さん、ありがとうございます!

PS
余談ですが、伊藤穰一氏の新著〜著者は大変興味深い存在ですが、この著作はあまり響きませんでしたよ、残念ながら。

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